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しじみの育つ環境。汽水域と淡水域の2種類に分かれる。

二枚貝の一種であるしじみは全国各地で生息しており、ある程度共通した環境下で生息しています。しじみの育つ環境は2種類あり、淡水と海水が入り混じる汽水域と、淡水域に分かれます。ここではしじみの育つ環境についてご紹介します。

汽水域で育つしじみ

日本で獲れるしじみは3種類ありますが、その中で国内のしじみ漁獲量の99%以上を占めるヤマトシジミは汽水域で育ちます。汽水域は海水と淡水が混じっている水域で、ヤマトシジミは塩分濃度0.3~1.0%の範囲の環境を好むと言われています。そのため、ヤマトシジミは塩分濃度0.0%の河川や、3.3%の海洋では生息できません。ヤマトシジミが育つ環境は、河川河口部もしくは海水が遡流する湖沼のみです。またヤマトシジミは水底0.5~4mの砂泥底に生息しています。水温によって潜っている深さが異なり、夏の水温が高い時期は土壌の表面まで出てきますが、冬の水温が低い時期は深く潜っています。ヤマトシジミの主な産地は島根県の宍道湖、青森県の十三湖、北海道の網走湖などが挙げられます。

淡水域で育つしじみ

国産しじみであるマシジミとセタシジミは、淡水域で育つしじみです。マシジミは小川の砂底に生息するしじみで、かつては日本各地で多くみられていました。しかし現在は化学肥料、農薬、河川改修などの環境変化が原因でほとんど見られなくなってしまいました。そのため市場にはほとんど流通されておらず、山間部などで獲れたものが細々と利用されている状況です。
セタシジミは琵琶湖から流れる瀬田川に多くみられることから付けられた名前で、琵琶湖・瀬田川・宇田川・淀川といった琵琶湖水系にしか生息しない固有種です。主な生息場所は砂泥の水底10m以浅のところです。セタシジミは琵琶湖周辺や京都などでは流通していますが、関東などの市場にはほとんど出荷されません。

まとめ

しじみの育つ環境は、海水と淡水が入り混じる汽水域と淡水域の2種類に分かれます。国産しじみで最も流通量が多いヤマトシジミは汽水域で育つしじみで、河川や海洋では育ちません。一方マシジミとセタシジミは淡水域で育つしじみで、汽水域には見られません。現在しじみの水産資源を守る活動が各地で行われているので、しじみを獲りたい場合は現地のルールを確認するようにしましょう。

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