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セタシジミはしじみの一種?外見、生態、産地、流通。

しじみはスーパーや魚屋で、一年を通して手軽に購入できる食品です。しじみは一種類しかないと思っている人が多いかもしれませんが、国産のしじみは3種類あります。その中でセタシジミは、琵琶湖から流れる瀬田川で多く見られるしじみです。ここではしじみの種類と、セタシジミについてご紹介します。

しじみの種類

日本産のしじみは、ヤマトシジミ・マシジミ・セタシジミの3種類があります。これらは外見、生態、産地などに違いがあります。例えば日本に流通しているしじみの99%以上を占めるヤマトシジミは、北海道から九州に至るまで全国の汽水域(海水と淡水が入り混じる場所)に生息しています。マシジミは北海道を除く本州、四国、九州の淡水域。セタシジミは琵琶湖原産のしじみで、主に瀬田川の淡水域に生息しています。

セタシジミとは

セタシジミは琵琶湖から流れ出る瀬田川に多く見られるしじみです。セタシジミの特徴は以下の通りです。

外見

セタシジミの外見は、殻が丸みのある三角形で、殻頂部が著しく膨らんでいます。殻長は約3cmで、貝殻の色は基本的に褐色ですが、幼貝は黄色いものが多いです。貝の表面に、比較的ハッキリした筋があります。

生態

セタシジミは琵琶湖の浅瀬から水深10数メートルまでの砂や砂泥底で生息しています。セタシジミは雌雄異体で、産卵期は6月~10月です。体外に放卵、放精し、水中で受精が行われます。受精卵は水中で発生が進み、4日後には仔貝になって底生生活に入ります。

産地

セタシジミは琵琶湖原産のしじみで、瀬田川、宇治川、淀川といった京都を流れる疎水で生息しています。セタシジミは非常に生息地域が限られている貝で、琵琶湖とその水の流れる水域にしか生息していません。過去には河口湖や諏訪湖などにも移植されたこともあったそうですが、基本的には琵琶湖水系でしか見ることができません

流通

セタシジミは琵琶湖で沢山獲れ、全国的に流通していたこともありました。セタシジミの漁獲量は昭和32年の6,072トンをピークに減少を続け、平成19年にはピーク時の約120分の一の52トンまで減少しました。近年は漁獲時期の12月~4月にかけて琵琶湖周辺や京都でのみ売り買いされています。そのため関東にはほとんど流通していません。流通価格はヤマトシジミと同じか、それよりやや安い値段です。

セタシジミは環境保全のシンボル

セタシジミは河川の水質汚濁による環境悪化が原因で、生息数が減少しています。セタシジミを保護するために、滋賀県などはセタシジミの稚貝の生産、漁場への放流、琵琶湖の水草除去による放流漁場の環境改善活動を行っています。近年セタシジミは琵琶湖の環境保全のシンボルとして位置づけられており、資源を復活させるための取り組みが行われています。

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